見えない朝食

 排便に苦しみ続けた夜が明けました。しかし、夜が明けたからといって状況は何も変わりません。脊髄腫瘍による痛みがなくなったことに対する喜びは、排便による苦しみによって、忘却の彼方に追いやられました。
 とにかく、排便してスッキリしたいのです。脊髄腫瘍により一番苦しめられた症状は排便時の右下半身の大激痛でした。そのため、普通に排便ができることによって、脊髄腫瘍がなくなったことを早く実感したいのです。

 そして、この状況を変えてくれるもの、つまり、排便を誘発してくれる起爆剤がもうすぐやってきます。朝食です。今日の朝食から自由に飲食ができます。内臓系の病気ではないので、食事制限は一切ありません。そのため、食べれば胃腸が刺激されて排便を誘発してくれるはずなのです。
 しかし、寝たきりの私に運ばれてきた食事は以下のイラストのように補助テーブルの上にあり、目線の約20cm上であり、何が運ばれてきたのかほとんどわかりません。かろうじて、ジョアの頭が見えるぐらいでした。

食事(フラット)
食事(フラット)