第7章:手がかりカード(心騒がす電話のベル):連結条件(証拠集め又は面談)
屋根裏部屋へ通ずる階段の所で監視を続けていると、心騒がす電話のベルが鳴り響いた。このタイミングで電話をする者はおらず、それよりも電源を切っているのである。
非通知の表示が出ている電話に意を決して出てみると、電話の向こうから「ザー、ザー、ザー、私・・・モーゼス・・・空間の狭間・・・ケザイア・・・短剣・・・ブラウン・・・、ザー、ザー、ガチャ」電話は切れた。
おそらく、異次元にいるモーゼスからであろうが、確認する手段はない。ここでモーゼスを待っていても仕方がないと思い、もう一度、屋根裏部屋に行って、何か手がかりを探す(証拠集め)ことを決意した。
油断していない今は、短時間であれば、奇妙な角度の影響は受けないはずである。ただし、屋根裏部屋は異次元の一部になっている場合は、短時間の定義が違っているかもしれない。だから、私は自覚する。私が短時間を定義する。私の体で定義する。つまり、外まで聞こえそうなぐらい大きく鳴り響く心臓の音が10回鼓動する2、3秒を短時間と定義した。
そして、再び屋根裏部屋に突入し、唯一角度が収斂している深淵の部分に手を伸ばすと、何かをつかんだ。もう時間である。手につかんだものを確認することなく、部屋を出た。